テックカンパニーとして本気度を見せるためにRubykaigiでスポンサーをしてみた(後編)
5月に開催されたRubyKaigi 2023に初参加した MNTSQ。多くの収穫がありましたが、他社とのつながりが生まれたのもその一つ。とくに「結果にコミット」でおなじみのRIZAPさん との出会いは、お互い初参加でありながらスポンサーになったところも共通していました。
このつながりは今後の財産としていきたい! ということで、アフター企画として合同インタビューを実施しました。
第1弾は、RubyKaigi 2023への参加を支えた両社運営メンバーたちが登場!
両社はなぜテックカンパニーとしての知名度が高くないにも関わらず、がっつりRubyKaigiに参加することに決めたのか。その舞台裏を前後編に渡ってお届けします。
>>>前編はこちら
テックカンパニーとして本気度を見せるためにRubyKaigiでスポンサーをしてみた(前編)
■プロフィール
岩井佐恵/MNTSQ事業開発部
舛岡英人/MNTSQプロダクトマネージャー
東畑崇仁/RIZAPグループ人事部
藤田知恵/RIZAPテクノロジーズ プロダクト開発統括一部 ディレクター
本気でRubyをやっていることを伝えたかった
――いっぽうで、参加する以上は皆さんも何かしらの成果を会社に持って帰るつもりだったと思います。どんな目的をお持ちでしたか?
RIZAP東畑(以下、R東畑)
RIZAPが本気でRubyを使ったプロダクトを開発している、ということはドカンと打ち出したかったですね。PRトークやDrinkupを通じてエンジニアの皆さんにそのイメージが伝わればあとはSNSで広がっていくはずだと思ったので、その着火剤は絶対作りたかったです。
幸いRIZAPは知名度があるので、「あのムキムキマッチョなRIZAPがRubyKaigiに来たぞ!」と印象づけられればと思い、初日は弊社のトレーナーさんが実際に着用している金のロゴ入りの黒シャツを着て、会場入りしました。ちゃんと目立てたと思います(笑)。
RIZAP藤田(以下、R藤田)
私はとにかく人とのつながりが欲しかったですね。この先Rubyistの方々を採用させていただくにあたって、人脈というかつながりはお互いにとって生きるだろうと思いましたので。何かあれば相談できるでしょうし、Rubyに対しての熱の入り方も違うんじゃないかな、と。
そんなことを考えて、一人でオフィシャルパーティーに行ったりもしていました。
R東畑
2人で、ブースを出している方ほぼ全員と名刺交換しましたもんね(笑)。MNTSQさんはどうですか?
MNTSQ 岩井(以下、M岩井)
さっき舛岡が言っていましたが、とにかく会社の名前と、Rubyをやっている会社なんだということを覚えていただくことが第1目標でした。もうそれだけでいい、というのがまずあって。あとは今後もこういう活動を続けるための勉強として参加しました。
もちろんわれわれも、横のつながりを作ることは意識しましたね。
RubyKaigiのもう一つのハイライト「Drinkup」とは
――そうした目的を持って臨んだRubyKaigiを終えて、実際にどうだったかについては改めてお伺いできればと思いますが、両社ともカンファレンス後にDrinkupというイベントも開催されていますよね。こちらはどういったイベントなのでしょうか。
R東畑
RubyKaigiの参加者同士や、参加者と開催企業の交流、懇親を目的とした飲み会です。
こちらはカンファレンス自体のスポンサーとは別に、開催を希望する企業がRubyKaigiの運営チームに申し込んで行うもので、参加は事前予約制となります。
――なんとなく楽しそうというイメージは湧きますが、Drinkupを開催する意義とはなんでしょうか。RubyKaigi自体のスポンサーになるだけで十分な気がしますが……。
MNTSQ舛岡(以下、M舛岡)
そもそもはRubyKaigiのチーフオーガナイザーである松田さんの「カンファレンスに来た方と交流したい」という思いが、Drinkupの開催企業を募集している背景にはあると思います。
そして、参加者の方々にとってもRubyKaigiのカンファレンスのあと知らない土地でどうしたらいいかわからない状態のときに、とりあえずDrinkupに行けば無料で美味しい食事ができて、かつコミュニケーションもとれるというメリットがある。
いっぽう開催企業にとっても、面白い会社であることやRubyに対して優しい会社であることを知ってもらうためには、皆さんとお話をすることが必要です。
そのための場としてDrinkupはうってつけで、とくにtoCビジネスではないわれわれとしては、結果的にはブースを出すよりよかったと思っています。
R東畑
舛岡さんのおっしゃる通りですね。ブースだとお話できても5分10分だろうというところを、2時間きっちり滞在していただけるというところはDrinkupの良さだと思います。
Rubyコミュニティの温かさを実感することができました
R東畑
それこそ映画を観た後の感想会のように当日の講義の内容に関する話もあれば、単純に「ご飯美味しいね」という話もありました。
RIZAPのDrinkupの会場は4名席が10卓ぐらいあったので、弊社の社員は全員別のテーブルについて、参加者の皆さんにも「せっかくなので『初めまして』』 の方とお話しませんか?」とお伝えした上で、同じ会社や知り合い同士の方は離れて座っていただいたのですが、各々のテーブルで自然と会話がはずんでいました。
後半の席替えもスムーズで、いち参加者として楽しかったですね。
Matzさんにもご参加いただきましたし、松田さんの誕生日もサプライズでお祝いできて、非常にいい会だったと想っています。
もともとRubyコミュニティは和気あいあいとしていると聞いてはいたのですが、その通りでした。
M岩井
ですよね! 実は当初、参加者の皆さんは技術的な話で盛り上がるんじゃないかと思っていたのですが、意外と「MNTSQさん、今回PRトークされてましたよね」とか、「それで、実際どんなサービスなんですか?」って、弊社のことを聞いてくださる方がいらしたんですよね。
多分RIZAPさんも「chocoZAPってどうやってRubyを使ってるんですか」と聞かれたりしたと思うんですけど、結構会社に興味を持ってくださったなあと感じました。
R東畑
わかります!
M岩井
RubyKaigiって、10年、20年選手のシニアエンジニアの方から「つい最近新卒で入りました」みたいな方まで参加者の裾野が広いイベントなので、来てくださる方の興味が必ずしもすごくテクニカルなところだけに寄っているわけではなかったのが新鮮でしたね。
なので、いろんな話で盛り上がっているのが印象的でした。
【結論】Drinkupはシンプルな「飲み会」形式で正解
M岩井
ちなみにRIZAPさんは、当日のイベントを盛り上げる企画とか用意しましたか?
R東畑
実はめちゃくちゃしたんですよ。
それこそ「RIZAPクイズ」を作ったら受けるんじゃないかなと思いついて、「鶏、豚、牛肉の中で1番カロリーが低いのは?」みたいな問題を、カンファレンス中にエンジニアたちが講義を聴いている横で急いで作成していたんです。
でも、RIZAPのDrinkup前日に別の企業のDrinkupに参加させていただいたら、立食形式で「皆さん自由にしゃべってください」という感じだったんです。それを見て「やっぱりこっちのほうがエンジニアの方には楽しんでいただけるかも」と、急きょとりやめました(笑)。
でも、結果それがよかったと思っています。
M岩井
それ、すごくわかります!
われわれがDrinkupを開催させていただいた会場は、テラス席に加えて室内席も二つのエリアに分かれていたんです。それもあって「マイクが使えないからライトニングトークはやりづらそうだし、クイズにしようか」などと話していたのですが、松田さんにご相談したら「いやいや、美味しいビールと飯があればそれでいいんだよ」と言われて。
参加者の皆さんが美味しく飲み食いしておしゃべりするのを妨げてまで、イベントをする必要はないと教えていただいて「そっか」って。
そこからは会場の準備とアテンドだけしっかりやって、当日は皆さんと一緒に楽しむことに集中しました。結果、すごくよかったなと思っています。
RIZAP藤田(以下、R藤田)
RIZAPがRubyを使っているテックカンパニーだということをお伝えする場がなかなかなかったので、Drinkupは非常にいい機会でした。
実際に、その後Twitterなどでも「RIZAPってRuby使ってるらしいよ」「chocoZAPってRuby使ってるらしい」という書き込みもあったので、東畑の狙い通り、着火剤は作れたのかなと思います。
来年はもっとRubyKaigiを盛り上げられる企業になりたい!
――今回RubyKaigiに参加された感想を総括すると、いかがでしょうか。
M舛岡
そうですね。今回の参加が、弊社のエンジニアが社外でつながりを持つきっかけになってくれたらいいなという思いがあります。
Rubyistって社外でつながりを持つことが多くて、それってとてもすてきな文化なんですよね。いっぽう社内のエンジニアには出無精 かつシャイな人が多いので、すでに出来上がっているそのコミュニティにいきなり飛び込めと言うのも、なかなかハードルが高いだろうとも思っていたんです。
そこに今回、会社としてRubyKaigiのスポンサーになったことで、Rubyコミュニティから「あ、スポンサーをやっていたMNTSQの人なんですね」と、多少なりとも受け入れてもらいやすい環境を作れたと思うので、そこからつながりが生まれていければいいなあと。
あとは「いずれ自分たちもRubyKaigiで発表してみたい」と思ってもらえればうれしいです。
他方、採用活動においてはRubyKaigiのスポンサーをした会社ということですでに反響が出始めていますので、いろいろ得ることの多かったカンファレンスだと思っています。
R東畑
当初は採用広報を目的に参加したのですが、行ってみたら1人の人間としても楽しめたイベントだったと思っています。Drinkupの盛り上がりっぷりからも、RubyKaigiの1番の良さって「参加する人たちの温かさ」だと思いました。
だからこそ、RIZAPとしては、来年以降はこのRubyKaigiをもっと盛り上げる存在になりたいですね。
もちろん、Rubyistたちに向けて「RIZAPならRubyを使ったこんなに面白いプロダクトやサービスがあるから、ぜひ一緒にやってみませんか?」というアピールももっとしていきたいと思っていますので、そこはブースを出すなり、ノベルティを配るなりしたいです。いずれにしても、来年はもっとしっかりと準備をして臨みたいです。
R藤田
やっぱりブースを出すか出さないかが大きかったので、そこの準備も次回はしっかり行いたいと思います。あとは今回、エンジニアの方を巻き込んで準備をしていたわけではないので、来年以降はもっと一体感を出していきたいなと。
M舛岡
そうですね。もうちょっとこう、全体的に1年かけてしっかりやっていきたいなというところです。ただ、今はちょっと燃え尽きてしまったというところもある(笑)。
R東畑
あります、あります。正直あります(笑)。
M舛岡
今年はちょっと無理やり動いた感もあるので、来年以降は落ち着いて準備がしたいです。
また、近い将来、社外のエンジニアの方から「スポンサーをやっていたMNTSQのエンジニアなんですね」ではなく、「あのエンジニアはMNTSQの人なんですね」と言われるようになりたいので、そのための発信を模索していきたいと思います。
今回はRubyKaigiに参加させていただくことでいろいろ得られたので、それをコミュニティ全体にどう還元していくかも考えたいところです。
M岩井
……言いたいことをほぼ舛岡に言われてしまったのですが(笑)、今回は本当に「初めましてこんにちは」だったと思うんです。古参の方にはもしかしたら「なんだこいつら?」と思われたかもしれませんが、温かく受け入れていただいた1年目だったな、と。
来年以降はもっとRubyコミュニティに溶け込ませていただいて、一緒にRubyを盛り上げていく存在の一つになれたらいいなと思っています。
また、RubyKaigiに出たら終わりではなくて、ずっと存在しているRubyコミュニティの中でわれわれは何ができるのかっていうのを、エンジニアを主体に考えながら活動していける会社になればいいとも考えています。
それらを通じてわれわれのこと知っていただいて、好きになっていただいて。
将来的には「いつもRubyKaigiに出てくれているMNTSQさんね」と言っていただけるように、来年以降も頑張ります。
R東畑
せっかくできたご縁ですので、今後も一緒にRubyを盛り上げていきましょう。
M岩井
ぜひぜひ! 今回はこちらからお声がけさせていただきましたが、対談企画を実施させていただいてありがとうございます。何かまた別の企画もしましょう。エンジニア同士の対談を見ていても楽しそうでしたので。エンジニアのモチベーションを上げる支援を、会社としてもしていきたいと思っています。
東畑
こちらこそです。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
(了)